DTM/アレンジャー科
DTM/アレンジャー科詳細
各方面で活躍されていますので、現場で生きる生の知識が習得出来ます。
プロ、アマ問わず、ご自分の作品をきちんと残したい方やアレンジを学びたい方には
最適の講座になります。
全てオーダーメードでカリキュラム (Curriculum)を作成します。
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レッスン形式 | フリー |
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年間総合回数 | 内容により異なる |
講師 | 水島 康貴 |
入会金 | ¥5,000 (税別) |
月額料金 | 内容によって異なる |
曜日・時間 | 不定期 |
すべてのコンテンツを見るには下記にアクセスしてご覧下さい。
http://hookup.co.jp/products/universalaudio/apollotwin/arrangement.html
水島康貴 これから始める編曲
DTMで作曲した物をアレンジしてみよう
これから新学期を迎え音楽を作ってみよう!音楽を勉強してみたい!と思っている方々を応援するものです。
■作曲した曲をバンドでやるのにデモ音源を作りたい!
■自分の曲を人に歌って貰いたい!
■カラオケを作って自分で歌いたい!
■そんな方々をはじめ、DTM(デスクトップミュージック)ソフト買ったけどどうやって曲をアレンジして行くの??
・・・等など、色々なお悩みの方々に少しでも参考になって頂ければ幸いです。
第一弾は、「アレンジって何!?どうしてアレンジするの??」
まずはそんな素朴な疑問からお話していきます。
第1回・アレンジって何!?どうしてアレンジするの??

アレンジされた曲は歌の世界観を広げ、聞いてる人、歌う人の想像力を掻き立てます。また歌う前のイントロと呼ばれる前奏、2番後の間奏や曲終わりのアウト ロ(後奏)など唄の無い所でも色々なドラマを音で演出する事も出来ます。アーティストによっては、前奏や間奏などがダンスの見せ場だったり、バンドならギ ターの見せ所だったりもしますね!
アレンジをすることによって、曲の印象も凄く変わり、イントロを聴いただけで昔の気持ちや情景が蘇ったりもします。
このように、曲をアレンジする事は、歌う人にとっても聞く人にとっても世界を広げてくれる物だと思います。
楽しい時に聞く曲と悲しい時に聞く曲が違うように、曲にイメージをつけるのがアレンジというものです。
アレンジで重要な事って何だろう?
アレンジをする人によってどこに重点を置いているかはそれぞれ異なったりもしますが、私がアレンジをする際に最も気をつけているのは、メロディを殺さな い、唄っている人が気持ちよく歌えるようにアレンジをする事。リスナーが思わずリズムに合わせ身体が動いちゃう様なそんなアレンジ。バラードだったら泣け ちゃう様なそんなアレンジを心がけています。もうイントロ鳴っただけでキターーーー!って思ってもらったら嬉しいですよね!
自分の曲がそんな感じに仕上がったら楽しいと思いませんか??メロディに音を乗せる事でワクワクしてくる瞬間を体験して貰いたいと思います。今はPCで DTMソフトを使って色々な方がそれを実現しています。皆さんもそんな事が出来たら、曲もドンドン書きたくなっちゃいますよね!
この記事を参考に少しでも多くの音楽が世の中に生まれてくれたら嬉しいです。
第2回・楽理(コード)

音楽ってどんな要素があるの??
音楽を作るのに知っておきたい事。
音楽の要素って何??
1メロディ(唄の旋律)
2コード
3リズム
まずはコードと呼ばれる物からお話して行きますね!
コードってなんだろう?
コードは音と音の重なりを表し、通常3つ以上の音の構成から成り立ちます。
譜1

では何故このコードを知る事、覚える事が必要なのでしょう??
それはこの記号を使う事によって、バンドで皆が演奏したり、人との音源のやり取りなど音楽の共通言語として使われているからです。言語の違う国の方とでもこのコードさえあれば、一緒に演奏出来て音楽で語り合うことも可能なのです。そう思うと楽しいですよね!
英語が世界の会話の共通言語になって来ている様に、音楽ではコードが音のやり取りの橋渡しをしてくれます。
それではコードの基本を幾つか紹介致しましょう!
基本その1 ・記号は全部でたったの7つ!?

この記号の右側に他に幾つかの文字や数字を組み合わせて様々な和音が生み出されます。メロディに付けるコードによっては、曲のイメージも凄く変わっちゃうんです!
コードアレンジ1
コードアレンジ2
基本その2 ・明るいコードと暗いコード

それはメジャーコードとマイナーコード音楽用語ではこう言い表します。
系列で大まかに分けると表の様な記号が付き、右にある様な呼び方をします。
図1

大きな7つの記号(C,D,E,F,G,A,B)の横にある数字は6と書いてある時はその大きな記号から数えて6番目の音を加えて下さい。7と書いてある時は7番目の音を加えて下さい。と言う意味になります。
ピアノ鍵盤で説明しますが、黒い鍵盤の所は大きな記号の右上に#シャープbフラットを付けて表します(図1)
基本その3・コードの響きとコード進行
例:
C
C6
Cmaj7
C7
Cm
Cm6
Cm7
C-maj7
Cdim
音楽は主にこのコードの幾つもの繋がりで演奏する事が出来ます。このコードの繋がりをコード進行と言います。
譜2は私が作曲した楽曲のコード進行になります。コード進行に著作権はありませんので、皆さんネットに出ている様な好きな楽曲のコード進行を利用できます。作曲するのにもとても勉強になるのでドンドン参考にしてメロディ作りに役立てて下さいね!
譜2

次回は・・・
次回は作ったメロディを実際DTMに打ち込む!をテーマにDTMの仕組みや作曲のコツ!をご紹介致します。
第3回・曲が出来たら打ち込んでみよう

前回はコードの仕組みをお話致しましたが、今回は自分で作曲したメロディが出来たら(実際はふと浮かんだらって事が多いですよね!)コードと一緒に実際にDTM(デスクトップミュージック)に打ち込む作業をしてみましょう!
打ち込む??
打ち込むとはDTMの作業に於いて、音のDATAをPC(パソコン)に入力するという作業を表しています。
DTMソフトの種類





どれが自分に合っているのか??これはホント悩んでしまいますよね??
そんな方達に私が迷わずいつもお勧めしているのが、「自分の仲の良い周りの方が一番多く使っているソフトを選んで下さい!」と言う事です。
説得力が余り無い様に聞こえますよね?
ですが、これが実は一番ソフトを使いこなす上で、最良な選択ではないかな?と思います。
それは、「あれ?ココどうするんだっけ?」とか「ここの作業はどうしたら上手く早く良い感じに仕上がるのかな?」など使い始めるとついつい出て来る沢山の 疑問これをネットや取扱説明書などで一生懸命調べるのも良いのですが、自分の周りの人が同じ物を使っていれば、すぐ聞けますw
ご飯おごればきっと沢山教えて教えてくれますw
私は現在、編曲のメインにLogic X、サブでWindowsのCubaseにソフトウエア音源を立ち上げながら日々作業をしております。ライブではチャンク機能が売りのDigital Performerも使用しております。
最近は、どのソフトウェアも内蔵音源(ソフトウエア音源)と呼ばれる物が、購入時にソフトの中に組み込まれてたりします。(ピアノ、ベース、ギター、ドラ ム、Loop、シンセ音源など)沢山の楽器の音がソフトを開いた(起動した)だけで使えるなんて、とても便利ですよね!LogicXから内蔵プラグインソ フト音源を幾つかご紹介します。最後のGuitar Rigは後日追加したNative Instruments社の物です。
DTMソフトウェアに組み込まれているもの、購入して後から追加出来るもの、無料で追加出来るソフトを挙げたらビックリするぐらいの量が有ると思います。1000以上は有るのではないでしょうか?こんな沢山のソフト音源を見ただけでも私はワクワクしてしまいます!
残念ながら今回はソフトのご紹介ではないので、ここまでにします。
DTMソフトの仕組み
時間(Tempo1〜無限大普通は60辺りから200ぐらい)
音の高さ(C0〜C8)
音の強弱(0〜127)
ソフトの中で音はこんな風に表示されます。


DTMソフトは、棒状のグラフみたいなもので表されるMIDIデータと、ギザギザした波形状に表されるオーディオデータとで、音を表現するために使い分けています。
先ほどのソフトウェア音源など多くはMIDIデータで表示され、歌や生演奏したを録音したものや、オーディオ素材(SEやドラムLoopサンプルなど) は、オーディオデータとして波形表示されます。一つ一つの箱状になったものは、幾つかのソフトでリージョンと呼ばれます。このリージョンが時間軸(テン ポ)に合わせ横に並んだデータをトラックと呼び、左から右へと時間が進むアレンジウィンドウへ並べることが出来ます。

少し昔の話になりますが、PCが音楽に使われるまではスタジオに大きなテープレコーダーがあって、1曲あたり最大48トラックを使ってひとつひとつ録音し て行きました。今はPCがそのテープレコーダーの代わりをしてくれて、トラック数はほぼ無限となっています!たった30年でここまできてしまうなん て・・・驚きです!
この他に音楽のソフトは
・ミキサーと呼ばれる音量やPAN(音の定位 左ー右)を調整する所
・細かくオーディオを編集(オーディオエディット)出来る所
・ピアノロールと言うピアノの鍵盤を縦にしてMIDIデータを編集出来る所
・MIDIデータを全て数値で見るイベントリスト
などまだまだ多くの機能あります。
メロディの打ち込み
今回はDTMソフトの内蔵音源(プラグインソフトウェア)で作ったメロディを打ち込んでみましょう!
最初に説明しましたが、「メロディを打ち込む」と言うのは、PCのマウスやキーボードを使ってDTMの画面上に音を入れて行く作業の事を差します。もちろん、ピアノが弾ける方はUSB接続のMIDI鍵盤から直接弾いても構いません。
ここでは、マウスを使いながら打ち込んで行きましょう!

ここでとても大切なのは、鍵盤にしてもマウスで打ち込むにしても、入力する際に必ず歌ってみると言う事です。
自分が歌う訳でもないし。なんて思わず、恥ずかしがらずにこっそり一人で歌ってみてください。もちろん仮のコードなど入れて、自分でDTMに直接歌を唄ってレコーディングするのも凄く良いと思います。
では何故歌わなくてはならないのでしょう??
唄物の場合、実際に唄ってみると、
・どこで息継ぎをするのか?
・どこまで音符を伸ばしてどこで切るのか?
・ある程度歌いやすい(音程の取りやすい)音の動きであるか?
等、色々な事に気付けるはずです。
メロディも含め音楽で間違ってはいけない事があります。音は、音の出るタイミングだけでリズムが刻まれるのではなく、音の切れ目でもリズムが出ると言う事です。もっと言えば、音が鳴っていない所で音楽を感じる!(まるで禅の様ですねw)と言う事です。
私も歌のディレクションでこの事はかなりの歌い手さんにリクエストしてきました。音の出だしのタイミング、大きさ、表情、音の切れ目の処理、息継ぎのタイミング・・・。
これら全てが合わさって一つの音の表現になるのだとも思います。ここを踏まえず見た目の長さだけで打ち込んだりすると、とてもつまらない感情のこもってい ないメロディに聞こえてしまいます。逆に言うならば、無機質な感じを表現したい場合はここを揃えてしまえば良いということでもあります。
平坦に打ち込んだメロディー
抑揚を付けて打ち込んだメロディー
いかがでしょうか?
聞いていて自然に聞こえるメロディをご自身で唄ってみながら打ち込んでみて下さいね!
★ワンポイントアドバイス
お勧めなのは、ご自身の好きな曲やサウンドのカラオケに新しく勝手にメロディを自作して唄ってみて下さい。コード進行には著作権はありませんから、まずはそういうやり方で曲を自作してみるのも楽しいですよ!
また少しでもピアノやギター弾ける方は、好きな曲のコードをコピーして、コード進行やメロディの動きなどを感じながら自分なりに作り替えるのも良いと思い ます。プロの作家の方々も日々テーマを持ち、リファレンス曲を決め、そのコードやリズムや全体の雰囲気を掴み、作曲したりもしています。
第4回・曲の方向性を決め打ち込んでみよう <リズム編>

今回はこの記事の本題です!!編曲を始めるにあたってどういう風にアレンジのアプローチをして行くのか?編曲すると一言で言っても、実際PCに向かって何 から手を付けたらいいのか?これからメロディを打ち込んだ後の作業の仕方、音の組み立て方などご紹介して行きながら、メロディに対するそれぞれの楽器の役 割なども理解して頂き、ご自身の楽曲の編曲作業に役立てて頂ければと思います。
曲の方向性を決める!?
もちろん、作曲の際に参考にしたサウンド、コード進行、アーティストイメージなどがある場合、編曲の方向性は決まっていたりします。何もイメージなくメロ ディが出来ちゃった!なんてことも当然ありますよね?そういう場合も参考になる様な音源などYouTubeやお持ちのCD,スマートフォンにダウンロード した音源などから探してみるのもとても良い事だと思います。
リファレンス曲を参考にする際にすること
それはズバリ!その楽曲を自分なりに解析することです!
解析!?!?とても難しく思われてしまった方、ご安心ください。楽曲に対する音の聴き方を変えるだけで良いのです。これには多少訓練と言いますか、慣れがある程度必要になってきますが、実は結構楽しいものです。
概ね楽曲には、以下の楽器が入って居る事が多いです。
•ドラム
•ベース
•ギター
•ピアノなどの鍵盤楽器
これらの4パートの楽器は実はアレンジの土台(ベーシック)を作る上で非常に重要なんです。私たちはこの4パートを4Rhythm(フォーリズム)と呼んでいます。
音楽のジャンルによって、時にこれらの楽器は様々な音色に変わる事も多いです。
ドラムはLoop(音が1〜2小節またはそれ以上で繰り返されるサンプリング音源)や電子系のドラムの音に。
生ドラム
Loop
エレクトロ
ベースも奏法が変わったり。
ベース
スラップベース
ギターもアコースティックギターから、ものすごく歪んだギターだったりもします。
アコースティックギター
歪みエレキギター
ピアノは、もちろんアコースティックなものからエレピと呼ばれる楽器にも替わったりします。
アコ—スティックピアノ
Rhodesエレクトリックピアノ
DX系ピアノ
まずはこれらの楽器が、参考としている楽曲や、イメージの元となる楽曲で実際にメロディに対してどのような関わり合いで演奏しているか?を聴き分けて行く 作業から始めて行く事をお勧め致します。我々は耳コピなんて言い方もしていますが、普段皆さんは好きな楽曲など聞かれるときは主に歌詞やメロディなどをも ちろん聴いていると思います。
そこから今度はドラムだけを聴こうとしてみてください。ベースがどんな動きをしているか?だけを聴いてみてください。そしてギターのバッキングやストロー ク(演奏方法)、ピアノの演奏など、歌に対してそれぞれの楽器がどんな風に関わっているのか?そこを聴き分けられる様に注意深く何度も聴いてみてくださ い。全部丸まる聞いてコピーしてください!とは言いません。
でも歌っていてドラムのリズムのココが気持ちいいから歌いやすいんだな!とか、歌の間にこのギターのリズムがあるから歌ってて楽しいんだな!ピアノのこの フレーズで自然と次のメロディが歌えるのかな?等などを感じられる様になる事が、実は編曲をする上ではとても大切なんです。
アレンジ例の紹介
それでは実際にメロディに対してそれぞれの楽器が、どの様に関わっているのか?リズムやサウンドはどんな楽器で組み立てられているのか?先日レコーディン グしたヒステリックブルーのボーカルのTAMAさんのソロアルバム曲を参考に聞きながら歌と楽器のアンサンブルを聞いてみましょう!
2ミックス
歌とドラムとベース
歌とギター(アコースティックとエレクトリックギター)
5パートのアンサンブル(ドラム、ベース、ギターx2、ピアノ)
歌と5パート
歌無し
いかがでしたでしょうか??
こんなバラでなんてスタジオで作業している時にしか、とても聞けませんがバラバラの音源を聞いて、またオリジナルを聞き直してみてください。何となくその楽器がクローズアップされて聞こえて来ませんか??
・・・・・・・
次にアレンジのイメージを大きく変えた楽曲の例を聞いてみてください。
元々のデモはもっとトランス的な4つ打ちのキックのデモだったのですが、アーティストのイメージとは違うかな??と思い、まずは基本のドラムに合わせてLoopに工事現場的なサウンドを使いました。
Loop素材
ドラムとLoop合わせたリズム
これにギターのフレーズを組み合わせました。
ギターリフ
う〜ん・・・、でもこれだけだと何だか泥臭いww
と、感じたので、シンセのシーケンスを足してイントロを作りました。
Synth Loop
そして出来たイントロがこれです!
「無限大の空」イントロ
出来上がったものを聞くと、一度にこんなに浮かんだのか?!なんて思われるかもしれませんが、全然そんな事ありません。最初はギターのリフが何となくイメージ出来たので、そこからドラム、ベースをデモでは打ち込んで行きました。
デモ制作時の4Rhythmの状態
リファレンスする楽曲が1曲とは限りません。2曲だったりなど仕事でもよくあります。
これは一体どういうことでしょうか??仮にA曲、B曲として話を進めます。
A曲→イントロダクション(前奏)からのリズムの感じ
B曲→サビの弦(ストリングス)の動きのイメージ
こんな風にリクエストされたりもします。ではこの場合A曲のリズムと言われ、何を感じて音を構成したら良いのでしょうか?
ドラム
■アドバイス
1.私が仕事で今まで出会った数多くの尊敬するドラマーの方々は、曲を演奏するときにその曲を口ずさみながら叩いてる方がかなり多いです。自分で叩いて気 持ちよく口ずさめていれば、歌の方も当然気持ちよく歌えると思えませんか?それぐらいドラムのリズムとメロディとは密接な関係にあります。ドラムを打ち込 んだらそのリズムで自分で気持ちよく歌えるか??この確認もとても大切です!
2.またドラムを打ち込む際の基本として、決して1小節ずつ作らないでください。最低でも2小節パターン4小節パターンでリズムを打ち込む事をお勧めしま す。なぜかというと、リズムを打ち込み終わり通して曲を聴けば一目瞭然なんですが、ドラムのグルーヴが出来上がったときにとても自然の流れに聴こえるから です。
ベース
指で演奏
ピックで演奏
スラップで演奏
歪ませて演奏
歌う方は音程をベースを聞きながら取る事も実際多いですので、メロディに対してあまりにもぶつかるようなリズムや、音程は避ける事も必要だと思います。またわざとギターやベースで音をぶつけてそこを楽曲の印象とする物もありますので、
打ち込みながら試してみてくださいね。
■アドバイス
最近はドラムのソフト音源が非常に優れている物が沢山出て来ています。AddictiveDrums2,BFD3,EZ Drummer2などに代表される様に、実際に生のドラマーが叩いたデータをMidi化してPC上で再生出来たり、編集出来たりします。私もEZ Drummerの上位に機種にあたりますSuperiorDrume2 を使用し、Midiデータでのドラムを曲に合わせて編集しながら実際のレコーディングで多様しております。
ただここで一つ重要なのが、やはりメロディに合わせキックやパターンを調整する事、またドラムの音源やフレーズのクオリティが上がった分、ベースの打ち込みが単調過ぎたり、ドラムのグルーヴに合わない、歌ともマッチングしない。
そんな事が実際打ち込みでは落とし穴になります。そういう意味でもベースの打ち込みは、より細心の注意を払いながらご自身の作品に合った演奏方法で、歌心あるベースの打ち込みを目指して頂きたいと思います。
第5回・リズム楽器のパートの音作りとアンサンブル

今回は1つ1つの楽器の音作りの重要性も含め、楽曲全体の楽器の音のバランス、アンサンブルなど、歌との関わりだけでなく楽器同士の音の位置関係もイメージ出来る様に音やイメージ図を用いお話をして行きます。
曲の方向性を決める事を前回もお話致しましたが、音をイメージをする事はとても大切です!曲の方向性が決まり、サウンドのイメージが出来れば、楽器の音色など選んだりする事もはっきり見えて来て決められると思います。
歌(歌のリズム)⇄ドラムパターン
それではまずそれぞれの音同士の関わり合いを、なま音とプラグインのエフェクトをかけた音を聞き比べてみながら考えてみましょう。
なぜプラグインエフェクトをかける必要が有るのか?何のためにプラグインエフェクトをしようするのか?については、後ほど音を聞き比べて頂く過程で説明しますね!
生ドラムサンプル
生ドラムエフェクト無し
生ドラムエフェクト有り
こちらにプラグインエフェクトのパラメータの一部もいくつかご紹介致します。プラグインエフェクトに通す事により、一つ一つの楽器の音の特徴を出しています。(画像クリックで拡大)
先ほどの疑問ですが、どうしてこの様に一つ一つの音に手間隙かけて音を作り込む必要が有るのでしょうか?それはミックス作業をするのにはそれぞれの楽器や歌の美味しい帯域が、被らない様にするためにプラグインエフェクトをかける必要が有るからです!
え??
美味しい??何が??
帯域??
被らない??
何だか怪しい用語の連発ですね!とても不思議な言い回しに聞こえますが、実はココが今回のポイントの1つです!!
サウンドイメージ

音のイメージ図になりますが、スピーカーのLとRそして上下で音の高い低いをイメージしてみましょう。

漠然とで構いませんのでこういう風なイメージ図を皆さんが好きな楽曲を聞きながらイメージしてみて下さい。そういう風に音楽を聴くのもちょっとマニアックですが楽しいです。
それでは引き続き他の楽器の聞き比べをしてみましょう。
Basicギターのサンプル
Basicギターエフェクト有り
それぞれの音で聞き比べても違いがお分かりだと思いますが、ドラム、ベース、ギターでまとめて聞きながら、先ほどのイメージ図を思い描いてみて下さい。
ドラム、ベース、ギター エフェクト無し
ドラム、ベース、ギターエフェクト有り
如何ですか?楽器ごとに少し手を加える事によって、リズムの感じ方、グルーブ(乗り)も明確に差が出ていると思います。
それぞれの楽器の特徴(美味しいところ)である、音の帯域(高いところや低いところの響き)をこの様に整理してあげる事がとても大切です。こういう1つ1 つの作業をする事が、曲の全体のイメージを損なわずに唄の歌詞を聞きやすくします。そしてそれぞれの楽器同士の音の特徴を活かしながらサウンドを構成し、 歌詞の世界観を広げてくれるのです。先に音のバランスを取る大切さを説明しましたが、編曲を進める上で必要な事があります。前回の内容とも重なる部分では ありますが、編曲をしていく過程で大切なのは唄の邪魔をせず、楽器ごとのアンサンブル(合奏)を組み合わせて行く事です。
楽曲のセクションごとの耳に残るフレーズ(旋律)であったり、唄の合間に聞こえて来て次のメロディへと自然とつないでくれたり、時にはドキッとする様な展 開で歌詞に耳が釘付け!?になったり、皆でタオル振り回したくなる様な盛り上げをしてくれたり・・・。そういう音のつながりを作る事が編曲ではとても大切 ですし、私はワクワクしながら編曲をしています。
それでは実際に編曲でどういう事が起きているかを、音を聞きながら体感してみましょう!何度も例に出しておりますが、今度は楽器のアンサンブルに注意して聞いてみて下さい。
まずイントロのモチーフのギターのフレーズを聞いて下さい。
無限大の空イントロギターリフ
唄が始まるAメロの4と8小節目でこのフレーズが再登場します。
Aメロサンプル
このAメロではもう1つアンサンブルがあります。唄の出だしの前に唄と同じリズムでギターがアルペジオを弾いています。これは唄が出る前にギターがリズムを提示しています。1小節目と5小節目の始めの2拍をお聞きください。
どうですか?聞こえて来ましたか?
こういうアンサンブルと基本のビートでは疾走感が欲しかったので、このテンポにしては鬼!とも思われるベースとギターのバッキング!!もトッピングしておりますwAメロ1つとっても唄に対して様々なアプローチで楽器のアンサンブルをしております。
次回もドラムとパーカッションとベースのリズムアンサンブルや、それぞれの組み合わせのパターンも紹介して行きたいと思います。また音の本日のイメージの3D版とも言える奥行きの出し方も、音とプラグインのパラメータを交えて体験して頂きたいです!
お楽しみに!!
第6回・リズムアレンジの考え方

リズムアレンジ(アンサンブル)とは?
今回はそのアンサンブルの中でもより大切な、楽曲の土台ともなるリズムアレンジについて、幾つかの例を参考にイメージして行きましょう。
リズム楽器とは?
まずこちらからご説明しますね!バンド形式で言うならば、ドラム、パーカッションなどの、音程を持たない打楽器を一般的には指しますが、それにベースを加 えた考え方でイメージしてみましょう。この3種類の楽器でのリズムアレンジ(アンサンブル)をどういう風にイメージして組み立て、編曲に役立てたら良いの でしょうか?私は基本として、このリズムアレンジが出来た時点で一人で歌ってみたりしてます。リズムが気持ちいいと歌いやすいし、歌う時の気持ちもとても 入りやすいのでリズムアレンジは非常に重要です!
リズムアレンジ(アンサンブル)の前に
右足でキック、
左足でハイハットのペダル、
右手でハイハットを主に叩き、
左手でスネアを主に叩きます。
ドラムパターンの基本は、キックは主に1、3拍目でスネアは2、4拍目を叩きます。こんなシンプル過ぎるパターンはなかなか有りませんが、これを基本としながら8ビートであったり、16ビートであったり色々なパターンをドラムは展開していきます。
ドラムパターン譜①
これにハイハットやスネアのゴースト(聴こえるようで聴こえない裏打ち)音など幾つかの要素が入りドラムのパターンが出来上がります。ドラムパターンを全体から、パートごとに聴き分けてみましょう!
ドラムパターン譜②
いかがでしたか?Midi画面だけではイメージしにくいですよね?
次に各パーツごとの音を聞いてみましょう!
このように全体を聴けばどんなリズムか理解できますが、ひとつひとつのパートだけを聴くと全くリズムが掴めず、何のこっちゃ??どんなリズム??ってなってしまいますね。このそれぞれのパートが合わさり、まとまる事によってリズムが生み出されている事が分かります。
実はリズムアンサンブルも考え方は同じです。それぞれのパートの楽器のリズムが合わさって、その曲のリズムのイメージが出来上がります。つまり、それぞれの楽器の出すリズムや音色の組み合わせや絡み方を変えることで曲のイメージをガラッと変えることもできるのです。
実際の私が編曲したリズムアンサンブルを聞いてみてください。
こちらのパーカッションのリズムアンサンブルのみを聞いてみましょう!
使用したパーカッションパート
クラベス(拍子木の様な木で出来た素材同士を叩く物です)
タンバリン(こちらも降って鳴らす事も出来ますが叩いている素材です)
トライアングル(小学校でも使った事あるその名の通りの3角形の楽器)
カバサ(楽器素材の周りに沢山のビーズの様な金属やプラスティックの玉が付いている楽器)
ハイハット(ドラムセットでも説明した楽器になります)
キック(エレクトリックドラムと呼ばれる電子楽器のドラムマシーンの音源です)
君の存在<パーカッションのみ音素材>
君の存在<リズムスコア>
私が行っているDTMでの編曲の進め方です。
下準備
1,作家のデモ音源をDTMに読み込む。
2,その曲のテンポを割り出して曲のテンポを決める。
3,歌い手さんのキーに合わせメロディを打ち込む。※
※歌う人のキーやテンポも打ち合わせで確認しておく事が大事です
4,ワンコーラス分のメロディの譜面を作り、プリントアウトする。
5,プリントアウトした譜面にコードを書き込んだり、イントロのイメージなどをメモする。
編曲作業
1,打ち込んだメロディに対して、ガイドのコードをピアノなどで弾いておく。
2,ドラム、パーカッション、ループ、ベースなどの基本のリズムをセクションごと※に打ち込む。
※セクションとは、Aメロ、Bメロ、サビなどと言われる、曲ごとの区切られたパーツの事です
3,セクションごとにガイドのギターや、セクションのイメージの核となる音を入れる。※
※この段階では、まだ音色も細かくまで絞り込みません。気に入った音が見つかれば最後まで残して使う事もあります
ここまでの編曲の流れは私のHPのムービーにもアップされておりますので、是非、流れを確認してみて下さい。http://www.mizushi.org/
以上の作業が、私がDTMで編曲をする際の基本の流れになります。デモ音源のイメージを壊さない様な編曲の指示を頂いた場合にはその手順が変わって行く事が多々あります。
昔は生の楽器での演奏が主流でしたが、今はデモ音源作成、作曲のほとんどがDTMでの作業になります。本来は楽器ごとのアンサンブルの楽しさ、仕組みなど はバンド演奏をして味わい、経験する事が一番だと思います。もちろんバンドだとメンバーで喧嘩もしますし、自分の思った通りにならない事も正直多いです。 でもそれが、一人では出来ない素晴らしいアンサンブルを生み出すことにもなるんですよね!
DTMで編曲を行う際も、楽器ごとにそういう感じのアンサンブルを擬似的に作り出し、曲が生き生きする様なサウンドを目指して下さい。一番陥り易いのは、 一人でDTMなどの打ち込みをしていると、どうしても自分の好きなタイミングやリズムパターンばかりを使ってしまう事です。こうなるとタイミングやパター ンが被りすぎて、偏ったアンサンブルになりがちです。そんな時は一度DTMから離れ、時間をおいて聴き直してみたり、ヘッドホンからスピーカーに切り替え て音を出してみたりして、自分の編曲を客観的に聴いてみましょう。より良いサウンドに仕上がる手助けになるでしょう。